こんにちは、わたなべです。
先日、別の記事の中で、軽貨物ドライバーの収入例や経費、税金の計算方法について解説しました。
これから参入しようとしている方は、当然お金を稼ぎたい気持ちを持っていると思います。しかし、まとまった金額を手元に残すためには、ある程度工夫する必要があります。
僕も始めた時は本当にお金がなくて、とにかく配達しまくって収入を増やすことだけを考えていました。ただ、普通にやっていてもなかなか手取りが増えないことに気づきました。
試行錯誤の結果、経費や税金を引いても月の手取り30万円以上を達成し、家計を安定化させることができましたので、今回はその具体的な方法について解説していきます。
特に以下のような方に役立てていただけるよう、記事を作成しています。
- 手取りで月30万円達成するにはどれくらい稼ぐ必要があるのか知りたい方
- 月30万円稼ぐために具体的な方法が知りたい方
- どういった会社と契約するのがいいかわからない方
✅この記事の内容
- 月の手取り30万円稼ぐためには年間売上570万円が必要
- 僕が未経験からの軽貨物ドライバーで月の手取り30万円を稼いだ方法
- 未経験者は大手の委託会社と契約しよう
※今回、数字がたくさん出てきますが、過去記事と同じ計算方法で算出しています。個人事業主の税金の計算方法も一覧にしているので、興味のある方は以下からお読みください。
月の手取り30万円稼ぐためには年間売上570万円が必要
僕の直近の年間売上が570万円だったのですが、この金額が税引き後手取り30万円のちょうどボーダーでした。
内訳 | 金額 |
---|---|
年間収入 | 5,700,000円 |
車両代 | ▲700,000円 |
ガソリン代 | ▲330,000円 |
スマホ代 | ▲30,000円 |
国民健康保険 | ▲399,000円 |
国民年金 | ▲396,000円 |
住民税(※千葉県の場合) | ▲229,000円 |
所得税 | ▲0円 |
手取り金額 | 3,616,000円 |
年間の手取りで約360万円。月にすると手取り30万円をギリギリ達成しているというわけです。
本当は上記の他に、配達で使う備品代がかかっていますが、金額が小さめなので今回は無視しています。
車両代は全額リース料です。自分で車を購入していたら、もう少し経費を抑えられていましたね。
また、僕は既婚者のため、国民年金は2人分の金額となっています。所得税が0円の理由に関しては後述します。
僕が未経験からの軽貨物ドライバーで月の手取り30万円を稼いだ方法
手取りを増やすためには、以下の2点しかありません。
- 売上【個数×単価】を増やす
- 経費や税金を抑える
僕は、家計を安定させるまで、これらを徹底的に実行していきました。
売上を増やすために実行した3つのこと
僕が売上を増やすために実行したことは以下の3点です。
- 1日の売上を最大化させる
- できるだけ出勤日を確保する
- スポットの仕事が入ってくるようにする
それぞれ解説します。
1日の売上を最大化させる
個建てのため、荷物を1個配達すると報酬が発生し、不在などで持ち帰ってしまうと0円という契約です。そのため、いかに効率的に配完させるかということを考えていました。
また、空き時間は可能な限りフードデリバリーを入れていました。
その考えを追求した結果、以下のルーティーンとなりました。
- 朝7時に営業所着、8時には配達スタートし、不在がちなお宅から回る&宅配ボックスを他の業者に取られる前に確保する
- お昼時までに午前中の荷物を終わらせフードデリバリーに移行
- 夜は早く帰るよりも、21:00まで配達することを優先する
特に、夜の配達はSD(正社員ドライバー)が早く帰る必要があったので、荷物を持てるだけ持って配完個数を増やしていました。
こうして、出勤時間をギリギリまで使った結果、平均して22,000円/日の売上を立てることができました。これは、軽貨物ドライバーの中でも稼いでる方ですね。
できるだけ出勤日を確保する
たまに欠員が出たり、荷物が爆発的に増えて休日でも出勤要請がかかる場合があったのですが、可能な限り応じるようにしていました。
1日の稼ぎが良くても、日数が少なければまとまった金額になりません。5勤2休が基本でしたが、最低でも月に22日、多い月は25日程度出勤していました。
スポットの仕事が入ってくるようにする
各ドライバーにはメインの担当現場が1つ割り当てられていたのですが、僕は休日の一部を使って、スポット案件の仕事を流してもらっていました。
委託会社は、スポットでいろいろな仕事を持っていたりします。
例えば、小学校を回ってテストを回収→納品であったり、役所を回ってDVDを届けたりですね。単発ですが、確実に売上の足しになります。
こうした点は、委託会社と契約するメリットでもありますね。
経費・税金を抑えるために実行した5つのこと
稼ぎつつ、支出を抑えることにも全力を注ぎました。
- 確定申告を青色で申告する
- 住宅ローン控除を申請する
- ガソリン代を抑える
- 可能な限りカードで支払う
- 稼働日は食料を持参する
こちらも一つずつ解説します。
確定申告を青色で申告する
上の図が、現在の日本の税の仕組みです。経費や控除が増えていけば、各税金が下がっていきます。
確定申告の方法も白色と青色とありますが、最大の違いが青色申告特別控除が利用できるかできないかという点です。
■青色申告特別控除とは
青色申告は、収入や経費についてより詳細な金額を記載する必要がありますが、その代わり最大65万円まで控除扱いにできる(=所得を少なくして良い)制度です。
前年度までは白色でしたが、65万円の控除は魅力的なので青色で申告しました。
ちなみに、65万円控除を受けるためにはe-taxで申告必須ですので、初めてオンライン申告しました。
住宅ローン控除を申請する
おそらく、個人事業主の最強の節税策が、この住宅ローン控除です。
■住宅ローン控除とは
基準を満たす新築や中古住宅に住む納税者に対して、減税が認められている制度。名称に控除とついているものの、各種控除の一部ではなく、算出された所得税から直接割り引くことができる。さらに、仮に所得税から引ききれなかった金額が生じた場合は、残りの金額を住民税から割り引いて良いことになっているため、節税効果が高い。
例えば、ある年の所得税が15万円だったとします。また、その年の住宅ローン残高が2000万円だったとします。住宅ローン控除額は以下の計算式で求めることができます。
- 2,000万円×1%=20万円
つまりこの場合、所得税15万円から住宅ローン控除20万円を引くことができます。
- 15万円ー20万円=▲5万円
引ききれなかった5万円が発生したので、この金額を住民税から割り引くことができます。一例として、前述の金額を当てはめます。
- 27.9万円ー5万円=22.9万円
この記事の冒頭で所得税0円になっているのは、この住宅ローン控除を利用しているからです。
ただ、10年間という期間制限がある施策なので、我が家はあと数年で所得税の支払いがやってきてしまいますが…
ガソリン代を抑える
ドライバーは車で走る距離がハンパではありません。このガソリン代が高騰している中、いかに抑えるかがポイントになってきます。いろいろ考えた結果、最寄りの出光でいつも入れています。理由としては以下。
- JAを除くと、ガソリン代が地域最安級。
- アプリを使うと、2円〜4円/L引きのクーポンがもらえる。
- カードで入れると、毎回2円/L引きになる。カードは年会費永久無料。
- 楽天ポイント100円につき1ポイント貯められる。楽天カードも年会費永久無料。
稼働日は1日150kmとか走るので、工夫しないとどんどん請求額が上がってしまいます。死活問題です。
可能な限りカードで支払う
カードで買えるものはカードで買います。ポイ活です。
前述した楽天カードと、JREカード(JRが発行しているカード)のどちらかで支払うようにしています。
また、楽天で買うと3%くらいポイントが貯まることがあるので、少し金額が大きいものはあえてECサイトを利用するようにしています。
稼動日は食料を持参する
意外と食費がバカになりませんので、配達で出勤する時は、必ずおにぎりと水筒を持参します。忙しい朝に準備するのは面倒ですが、1日で数百円、1ヶ月で1万円程度変わってくるので継続しています。
買い物したくなった時は、できる限りスーパーや薬局を利用します。ただ、どうしてもコンビニになってしまう時は、PONTAカードが使えるローソンで買います。
PONTAなら100円で1ポイント貯められるので、ファミマTカード(200円で1ポイント)よりもお得なのです。
未経験者は大手の委託会社と契約しよう
未経験者の場合、軽貨物業界に参入して、いきなり自分一人の力で仕事を取るのは難しいので、まずは委託会社と契約するのが無難です。その中でも、大手と契約するのがおすすめです。理由は2点です。
- 仕事の派遣先を多く持っている
- 万が一の際、代車を用意してもらえる
それぞれ解説します。
仕事の派遣先を多く持っている
大手の委託会社は、取引先数も多いです。ドライバーが入れる現場も多いため、スタート時に自分に合った現場の希望を出すことができます。100%通るかは別ですが、いくつかの中から選択できるのはメリットです。
また、担当現場に入ってからも、スポットの仕事を紹介してもらえる可能性が高いです。例えば、Amazonの配送を週5で稼働、隔週で企業を回る仕事を1日ずつ入れてもらう、とかが可能になります。
万が一、メインの担当現場の契約が切られても、別の現場を紹介してもらえる可能性が高いので、リスク回避の面でも有利ですね。
万が一の際、代車を用意してもらえる
事故や故障などで修理に出す必要に迫られることがあります。この場合、代車を用意しなければいけませんが、黒ナンバーの車はレンタカー会社にもディーラーにも置いていません。委託会社から借りることになります。
一般的に、大手の委託会社は、余剰の車を必ず用意しているので、万が一の際でも、シフトに穴を開けたり、稼働できなくなる期間を最小限に抑えることができます。
大手の委託会社と契約するためには
僕は、未経験で転職する際に、まずリクナビNEXTに登録しました。また同時に、『千葉県+配送+求人』で検索して情報収集しました。
結局的に、自分で検索して応募した会社で採用していただき、現在に至ります。
すぐにでも働き始めなければいけない状況だったので、1社目で契約することに決めましたが、時間に余裕があれば、複数社を受けて、条件面を比較して決めた方が良いと思います。
さて、今回はここまでです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
別記事で、失敗しない軽貨物ドライバーの始め方についても解説していますので、そちらも是非どうぞ。
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