【宅配業の現実】軽貨物ドライバーで生活できない事例3選

軽貨物ドライバー

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こんにちは、わたなべです。

少し前に、知人のyoutubeチャンネルで、タイトルの件について同僚ドライバーと語り合いました。

委託会社に登録して、真面目に配達していれば問題なく生活できます。ただ手取りを増やしたいなら、副業を始めたり、自分で仕事を取っていくこともやるべき、というのが結論です。

しかし、長く続かず辞めていってしまう方も少なからずいます。そうした方は何らかの理由で、思ったよりも稼げなかったからというものです。

具体的にどのようなケースがあるのかについて、またどのように対策すればいいのかについて事前に把握しておくことができれば、最悪の事態を回避することができますよね。

そこで今回は、僕の周囲で残念ながら辞めていったドライバーのエピソードを、包み隠さずご紹介します。動画の中では語っていませんので、是非最後までお読みください。

特に以下のような方の役に立てるよう、記事を作成しています。

  • 軽貨物ドライバーに転職した後、生活できなかったらどうしようと不安な方
  • どうすれば稼いでいけるのかコツを知りたい方
  • 自分が宅配ドライバーに向いているのか知りたい方

✅この記事の内容

  • 軽貨物ドライバーで生活できない事例3選
  • 軽貨物ドライバーとして独立するための5ステップ
  • 宅配便配送に向いているのはこんな方
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軽貨物ドライバーで生活できない事例3選

せっかく軽貨物ドライバーに転身したとしても、稼げずに辞めていった方々がいらっしゃいました。色んなケースがあるのですが、代表的な事例を3つ紹介します。

事例1:配達についていけないパターン

僕が大手配送会社の委託ドライバーを始めて1年が経過し、委託会社から新人さんの横乗り研修をお願いされた時のことです。

前職は生協の配達をやっていたということで、比較的近しい業種出身の方でした。雨が強く降っていても大丈夫とか、5階まで階段で重いものを持って運ぶのは苦にならないなど、ドライバー適性を持った頼もしい方でした。

しかし、いざ一人で配達をやってみると、思った以上に数が捌けないことを痛感したらしく、ものの1週間で辞めてしまうという結果となってしまいました。

個建て契約でしたが荷物は潤沢にある現場だったので、配ることさえできれば、まず生活できないことはなかったんですけどね。

生協だといつも回るお宅は同じですし、件数も限られているとお話しされていました。しかし、大手配送会社で宅配となると、1日に100個以上は配達しますから、スピード感が合わなかったんでしょう。

僕も初日は70個しか配れなかったので、思ったよりも配れないと「全然稼げないじゃん…」と不安になる気持ちはわかります。あまりにも自信がなければ、早めに別の仕事に移った方がいいかもしれませんが。

ただ、慣れれば多少は誰でも早くこなせるようになりますからね。継続していれば今頃ガンガン稼いでいたかもしれませんので、おせっかいですが、ちょっともったいなかったなぁと感じます。

事例2:荷物が回ってこなくなったパターン

こちらも同じ大手配送会社の委託をやっていた頃の話で、今度は僕自身のこと。始めた当初はかなり荷物があって、ドライバーが全然足りないくらいだったのですが、それから1年半が経過し、営業所の荷量が右肩下がりに。

最低でも40万は稼げていた売上が、宅配便の配達だけでは届かなくなってきてしまって、仕方がないのでフードデリバリーとの二刀流で補ってました。

しかし、そこからさらに荷量が落ちてきた頃、今度はSDさん(正社員ドライバー)の配完数を確保するために、僕が担当していたECサイトの荷物を回してくれと言われる始末。個建て契約だったので、荷物が減った分だけ売上も減ります。正直死活問題です。

それから3ヶ月くらいで、委託会社ごと契約を切られるという結果になりました。いわゆる委託切りですね。

配達能力はあっても、荷物が回ってこなければ、売上を上げる術がなくなります。ここが、個建て契約の委託ドライバーの最大の弱点です。ですので、委託切りにあっても別の現場に入れるように委託会社に交渉しておくとか、配達をやりながら複業で収入源を確保しておくような動きが必要になってくるわけです。

これは割と起こりうるので、「いつか切られるかも」ということは念頭においておく必要があります。

僕の場合は、別現場でドライバーが必要なので手伝って欲しい、と声掛けがあったおかげで、今もドライバーとして稼働することができています。ただ、小さめの委託会社だった場合、すぐにドライバーを回す現場がなければ、廃業につながっていたかもしれません。

事例3:思ったよりも手取りが少なかったパターン

今度は車建てのケースです。昔、同じDS(=倉庫)で稼働していた方で、手取りが少なかったために転職せざるを得ないドライバーさんがいらっしゃいました。

車建てとは個建てと違って日当制のことです。何日出勤したらいくらになるか見通しが立つのがメリットである一方、売上単価がやや低いのがデメリットです。

委託会社は別だったのですが、おそらくもらっている報酬はそんなに変わらないはずでした。しかし、その方の場合、実際に経費や保険料を差し引いてみると、月平均15万円程度だったとのこと。そこから家賃とか光熱費とかが引かれると、手元に残るお金はごくわずか…という状況だったみたいです。

たしかに、稼働する上で悪い条件が重なると手取りが激減するかもしれないというのは理解できます。一例としては以下のような感じです。

  • 車両リース代が高額
  • 修理代が自己負担
  • 燃費が悪くガソリン代が嵩む
  • 距離が伸びてしまうコースにはまる

軽貨物ドライバーの経費は、大半が車両代や修理代です。委託会社からリースしている車両であっても、メンテナンスは自己負担という契約は結構ありますので、言われるがまま稼働していると手取りがどんどん減ってしまう可能性はあります。

これも起こりうるパターンなので、自衛策を練っておく必要があります。次の章で解説します。

軽貨物ドライバーとして独立するための5ステップ

何の仕事でもそうですが、与えられた役割をしっかりこなすだけでは、十分な稼ぎを得られるとは限りません。軽貨物ドライバーもそうです。個人事業主なので、完全独立するためにはポイントを押さえる必要があります。

以下の5つのステップを実践することで、十分生活していけるドライバーになれます。

  1. 多数の案件を持っている委託会社と契約する
  2. 稼働前にどのくらいの報酬が見込めるか確認する
  3. 報酬例から翌年度引かれる税金を先に計算しておく
  4. ドライバーとしての配達能力を磨く
  5. 委託会社と単価交渉できるようになるまで配達品質を保つ

それぞれ解説します。

多数の案件を持っている委託会社と契約する

宅配未経験者の方は委託会社と契約するのがおすすめです。理由としては一つで、仕事を取ることは委託会社に任せて、初めは配達スキルを高めることを優先した方がいいからです。

その中でも、多数の案件を持っている大手の委託会社と契約すべきです。仮に1つの現場の契約が終了してしまっても、他の現場に入れれば、とりあえずドライバーとして稼働し続けられますので。

小さい委託会社だと現場の数が限られるので、長期的にお世話になることを考えるとやや不安です。委託会社の選び方については、以下の記事で解説しているので、合わせてどうぞ。

■参考記事>>【脱サラ】失敗しない軽貨物ドライバーの始め方【未経験で不安な方へ】

稼働前にどのくらいの報酬が見込めるか確認する

実際にドライバーになってしまってから、「思ったよりも稼げなかった…」となってしまう状況は回避したいですよね。ですので、転職前にどのくらいの収入が見込めるのかを想定しておくことが重要です。

そのための具体的な方法は以下の通り。

  • 求人広告を見て報酬のシュミレーションをする
  • 面接の際にどの現場がどのくらい荷物の量があるのか確認する
  • 横乗り研修中に先輩ドライバーに報酬例を確認する
  • 聞いてきた情報を元に翌年度の税金の計算をしておく

軽貨物ドライバー募集の求人広告には、個建てなのか車建てなのかや、1日の報酬例の他、親切な会社は事務手数料やロイヤリティなどが書かれています。

そこから実際の振込額はどの程度になるのかを計算することが可能です。計算方法は以下の記事で解説しているので、是非やってみてください。

■参考記事>>【脱サラ】失敗しない軽貨物ドライバーの始め方【未経験で不安な方へ】

報酬例から翌年度引かれる税金を先に計算しておく

報酬額のシュミレーションができると、翌年度の税額のシュミレーションもできるようになります。

個人事業主になると、自分で確定申告をする必要がありますよね。念のために記載しますが、確定申告とは、総収入から経費や所得控除を差し引いて、所得税額を確定させて申告する手続きのことです。

ただ実際は、所得税に限らず、ほぼ全ての税金がこの時に申告した所得金額を元に計算されています。

代表的な税金の計算方法をまとめると以下の通り。

税の種類計算方法
国民健康保険料(総収入ー経費ー青色申告特別控除)×10%
国民年金保険料月額16,520円/人
所得税(総収入ー経費ー青色申告特別控除ー所得控除)×税率(※)ー控除額(※)
※課税所得金額により異なる
住民税(総収入ー経費ー青色申告特別控除ー所得控除)×10%+5,000円
個人事業税(総収入ー経費ー控除ー290万円)×5%
自動車税年間3,000円・3,800円・4,500円のいずれか
各税金の計算早見表

年金と自動車税以外は、確定申告の所得金額を元にして計算されているのがわかります。

ここで一例ですが、以下のような人物が軽貨物ドライバーで稼働した場合を考えます。

  • 男性既婚者、16歳未満の子どもが2人
  • 妻はパート雇用(年収150万円以内)
  • 1月1日より、個人事業主の軽貨物ドライバーとして稼働
  • 5年落ちの中古車使用
  • 毎月の事業所得が40万円、年間で480万円
  • 確定申告はe-taxで青色申告
  • 非課税事業者(インボイス未申請)

年商480万円のドライバーの、翌年の税金額の内訳は以下の通りです。

税の種類計算方法
国民健康保険料(4,800,000ー632,000ー650,000)×10%=351,800円
国民年金保険料16,520円×2人×12ヶ月=396,480円
所得税(4,800,000ー632,000ー650,000ー932,000)×10%ー97,500=161,100円
住民税(4,800,000ー632,000ー650,000ー932,000)×10%+5,000円=263,600円
個人事業税(4,800,000ー632,000ー290万円)×5%=63,400円
自動車税3,800円
各税金の計算早見表

全て合計すると、124万円程度になります。

もちろん、これはシュミレーションなので、実際に稼働した時のものとは少し離れていると思います。ただ、思いもよらず高い税額通知が来てしまうのは地獄なので、こうした具体的な数値を先に把握しておくことが大事です。

税金のより詳細な解説と効果的な節税について、以下の記事で記載していますので、ご興味ある方は是非どうぞ。

■参考記事>>【会社員→個人事業主】軽貨物ドライバーになると支払う税金まとめ

ドライバーとしての配達能力を磨く

ドライバーとして売上を立てて生活していく以上、お金を産むのはあなたの配達品質次第です。

委託会社や荷主は、その日にお任せしたを時間内に配り切ってほしい、また遅滞なく配達完了ができる方に報酬を支払いたいと考えています。

ですので、当たり前ですが、配達能力の高いドライバーの方が稼ぎやすいです。

いざ現場に入って稼働するとなったら、とにかくがむしゃらにやってください。

最初は誰もが思ったようには配れません。ただ、先輩ドライバーや管理者に指示を仰いだり、工夫を重ねていくことで、必ず早く配れるようになります。

配達スピードを上げるための具体的な方法についても、解説した記事を用意していますので、是非実践してみてください。

■参考記事>>宅配初心者が荷物を速く配達するコツ【配りきれないと嘆く前に】

委託会社と単価交渉できるようになるまで配達品質を保つ

ドライバーは、ただ荷物を配り切ればいいというわけではありません。時間帯指定に追われたり、勝手に置き配しないなどの配送ルールを遵守したりしながら、クレームが出ないように配達していきます。

いろいろと大変ですが、それを保つことがドライバーとしての価値ですし、継続できると委託会社の信頼を勝ち取れます。すると、徐々に融通が利くようになってきて、割のいい仕事を紹介してもらえたり、休みの希望が通りやすくなったりします。

その上、委託会社と単価交渉できるようにもなっていきます。実は配送単価は、全員一律同じではありません。もちろん、委託会社の方から「単価上げましょうか?」みたいなことは言ってくれませんので、自分から相談を持ちかけることが大切なんですが。

ただ、ここまでの存在になることができれば、ドライバーとして長期的に稼いでいくことが現実的になります。

ちなみに、委託会社との単価交渉の仕方については、noteで書いた記事の中で触れています。有料ですが興味のある方は買ってみてください。

■参考記事>>【宅配のプロが実践】軽貨物ドライバーが個建て契約で稼ぐための配達術

宅配便配送に向いている方はこんな方

軽貨物の仕事の中でも、特に荷物の数が多いのが宅配便の配送です。たしかに、時間内に配り切るのは難易度が高いですが、報酬もそれなりに高いのが大きなメリットです。

しかし、人によって向き不向きが大きいのは事実。本当に向いてない方が続けていくのはキツイので、宅配便配送に向いている方の特徴について述べます。

  • 安全運転できる方
  • 規則正しい生活を送れる方
  • 報・連・相の意識がある方
  • お金を稼ぐ必要のある方
  • シフトに柔軟に対応できる方

こちらの内容についても以下の記事で詳細に解説しているので、合わせてどうぞ。

■参考記事>>楽な仕事を求めるなら軽貨物宅配ドライバーにならない方がいい3つの理由

事故を起こさないのは言うまでもありませんね。超大事なので最初に入れました。

また、配送の仕事は、時間を守ることと、何かあった場合は報連相を欠かさないことが極めて重要です。

社会人としても当たり前のことなのですが、軽貨物業界ではできてない方が結構多いです。遅刻をする人はいつも決まっています。そういう人は配達品質も上がりませんし、単価も上がりません。

裏を返せば、基本的なことさえきちんとできていて、それを継続していくだけで重宝されるということ。ですので、ドライバーとして生活していくのは、そこまで難しいことではありません。

お金を稼ぐ必要のある方が最強

軽貨物ドライバーを始める方は、お金の必要に迫られている方が多いです。一例としては以下の通り。

  • 数百万単位で借金がある人
  • 飲食店をやっていたが経営難で廃業した人
  • 最近シングルマザーになった人

何を隠そう、僕自身も労働マルチで300万溶かした後、次に就職した会社で適応障害で退職。結果、預金がマイナスになり、すぐにでもお金が必要だったことから配達員を始めました。

宅配の仕事は大変ですが、必死でやれば毎月50万程度なら稼げる仕事です。そのために、どうしたら効率的に配達できるかとか、どうやってSDから荷物を引っ張ろうとか、空き時間にギグワークを入れて1日の売上を最大化しようなどの考えが生まれてくるわけです。

ですので、お金を稼ぐ理由が明確な方が最強だと思います。

あなたの稼ぐ目的は何でしょうか?

ちなみに、僕の稼ぐ理由の第一位は妻と子どもたちにごはんを食べさせていくこと、第二位は溶かした300万円まで貯金額を取り戻すことです。

目的なんかなくてもOKですが、配達に忙殺されるだけの毎日だとメンタルも結構しんどくなります。僕は稼いで何をしたいのかがわかっていた方が頑張れるので、一度考えてみるのがおすすめです。

と言うわけで今回はここまでです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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