こんにちは、わたなべです。
少し前に以下の記事の中で、宅配ボックスへの配達指示があっても、お届けができない場合について書きました。
■関連記事>>【不在でもOK】置き配や宅配ボックスについて現役配達員が思うこと
僕もいくつかの大手配送会社で委託ドライバーをやりましたが、ボックス指示でも配達できないことが実際にありました。特にそれは、戸建て住宅にお住まいの方に顕著です。
ですが、急いでいたり不在がちなので入れておいて欲しいから宅配ボックスを設置しているのに、荷物が届いていないのは不便ですよね。
そこで今回は、現役配達員の視点から、荷物を入れてくれない問題についての原因と対策について解説します。
特に以下のような方の役に立てるよう、記事を作成しています。
- 宅配ボックス指示なのに何で荷物を入れてくれないのか疑問な方
- どんな宅配ボックスなら荷物を入れてもらえるのか知りたい方
- 不在でも荷物を受け取れるようにするためにはどうしたらいいのか
✅この記事の内容
- 宅配ボックスに荷物を入れてくれない原因と対策
- 荷物を受け取りやすくなるための宅配ボックス7選
- 確実に荷物を受け取れるようにするための3つの手段
宅配ボックスに荷物を入れてくれない原因と対策
まず、宅配ボックスに荷物を入れられない原因について挙げると以下の通りです。
- 表札がなく配達先住所が確認できない
- 鍵がかからないと盗難の可能性がある
- 既に宅配ボックスが埋まっている
- サイズオーバーで入れられない
- 配達員に宅配ボックスだと認識されていない
ほぼこの5つに集約されているかと思います。特に、配達員として判断に迷うのは上の2つです。
表札がなく配達先住所が確認できない
表札が出ていなかったり、番地が確認できなかったりすると、荷物を配達できません。
配達アプリ上でも地図は確認できるのですが、それでも特定できないことがあります。その際、一か八かで配達してしまうと、正配先は隣の家だった、なんてこともあり得ますよね。
配達員がやってはいけないことの一つは誤配です。間違ってお届けしてしまうと当然クレームが入りますから、それは避けなければいけません。
確証がなければ配達できませんので、手掛かりがない場合はずっと荷物が届かないなんてことがあるかもしれません…
鍵がかからないと盗難の可能性がある
宅配ボックスが絡む場合の、配達員の行動の優先順位は以下の通りです。
- 宅配ボックス指示の場合、ボックスにお届け
- 対面配達指示で不在、安全が確認できる場合はボックスへおとどけ
- 対面配達指示で不在、安全が確認できない場合は持ち戻り
配達員は、配達専用端末やスマホの配達アプリで、置き配なのか対面配達なのか指示を確認して配達を行なっています。ですので、宅配ボックスに入れるよう指示があれば、基本的にはそこにお届けをします。
判断に迷うのは2番です。例えば、宅配ボックスは設置されていても鍵がかからないタイプだったとしたら、一応盗難されてしまう可能性はあるわけですよね。ですので、受取人が支持していないのに置き配されて盗難された、みたいなクレームが入るかもしれません。
配達員が絶対にやってはいけない行動の一つが無断置き配です。勝手にボックスに入れて大事になるなら、最初から使用しないというのが本音なのです。
張り紙があった場合の配達員の判断について
最近特に、張り紙をしていただくケースを見かけます。受取人の方が、配達員が届けやすいようにご厚意でやってくれているのを感じますが、これも前述の通り、安全が確保できるかどうかで判断しています。
例えば、『宅配ボックスにお届けできない場合は玄関前にお願いします』と張り紙に書いてあった場合。このケースも盗難されるかもしれませんよね。貼ったのは確かだけど、今回の荷物に限っては置き配してほしくなかった、とか言われたら届ける側の責任になってしまいます。
同じ文言が、仮に配達端末上の備考欄に記載してあれば、確実に受取人から指示があったことが確認できますから、配達員も安心して置き配することができます。
置き配指定のできる荷物なら配送会社の補償が受けられる
もう一つ補足です。ヤマト運輸のEAZY便や、Amazonの商品のような、最初から置き配指示ができる荷物に関しては、再送や返金などで補償してくれる可能性があります。早ければ翌日に代品が届くなんてことも結構あります。
ですので、荷物が届かないとか、破損していたなどの事象が発生した場合は、カスタマーセンターにお問い合わせいただくと何かしら対応してもらえます。ご存じない方は知っておくと安心です。
荷物を受け取りやすくなるための宅配ボックス7選
この章では、僕が普段配達させていただいている宅配ボックスの中でも、多くの配達業者が荷物を入れやすいものをピックアップしてご紹介していきます。
ポイントは、しっかり鍵がかかり防犯性が保たれていること。これだけで盗難や紛失の可能性は無くなるため、配達員としてはボックスへのお届けが格段にしやすくなります。
OKIPPA公式ストア 置き配バッグOKIPPA
玄関ドアなどに吊り下げておき、荷物を入れる時だけ広げて使用します。普段は本体は折りたたまれているので邪魔になりませんし、広げられていたらお届けされていることが一目でわかります。導入の手間が少ないので、使用している方が非常に多いです。
ワイヤー付きで、荷物を入れたら南京錠でロックできるので、防犯性も保たれています。ただ配達の際に、南京錠が用意されていない場合があります。すると、安全性が確保できないという理由で、荷物を入れてくれない可能性があります。
ご利用の際は、南京錠を入れておいていただけると、配達員も気兼ねなくお届けすることができます。
MKT 宅配ボックス 75L
戸建てもそうなのですが、オートロックではない2階建てのアパートとかでもよく見ます。120サイズくらいの梱包箱がギリギリ入るので、荷物がお届けできることの方が多いです。
ワイヤーと南京錠が備え付けられているので防犯性も担保されてますし、軽くて安いので導入しやすいのが強みです。
ただ、こちらもワイヤーが固定されていなかったり、鍵がなかったりすると入れてもらえない可能性があるため、ご使用の際はご注意を。
パナソニック 宅配ボックス COMBO-LIGHT ラージ
このタイプが据え置きボックスの中で一番よく見るかもしれません。
ミドルタイプもラインナップされていますが、このラージタイプの方が人気です。高さ70cmの荷物まで収納できるので、結構大きめのものでもお届けができます。
配達時の操作も簡単で、荷物を入れたら内側のレバーを動かし、扉を閉めて押印ボタンを下げれば完了なので、ドライバーとしては嬉しい簡単設計になっています。
取り出しはもっと簡単で、専用の特殊キーを差し込んで回すだけです。
このボックスに当たると、配達が早いので助かります。
Panasonic 宅配ボックス COMBO ミドルタイプ
連続でパナソニックからの紹介になりました(たまたまです)。こちらもスリムタイプやハーフタイプなどのラインナップがありますが、ミドルタイプが人気です。
受取人と配達員の使いやすさを追求し、耐久性も兼ね備えた宅配ボックスです。
配達員からすると、正直この宅配ボックスが最高に使いやすいです。たぶんドライバー全員がそう思っているんじゃないでしょうか。というのも、扉を開けるのもボタンを押すだけ、そしてロックするのも裏側のレバーを下ろし閉めるだけというシンプルな操作である上、手が汚れなくて済むという快適な使い心地だからです。
開ける時も、専用の特殊キーを回すだけなので、受け取る側からしても手間が少なくなっています。
また、固定用の台座も用意されています。ボックス本体を直置きされている状態も結構見ますけどね。たしかに、台座があった方が安心です。
全て購入すると結構な値段になりますが、毎日のように宅配を使われる方にとっては、買って損のない1台だと思います。
PYKES PEAK TAKUHAI BOX
このボックスも割とよく見ます。
最大の特徴は、下扉からだけでなく、天井のふたを開けることでも荷物を投函できる点です。
一度に荷物を頼んで、宅配業者同士ががバッティングしてしまうと、宅配ボックスが使用中でお届けできないといった現象が起こりますが、このボックスなら2箇所から荷物を入れられるので、小さめの荷物なら複数回配達員が来ても大丈夫です。
また、下扉からなら62cmまでの荷物が収納できるので、大きめの荷物でもお届け可能です。
そして、何より操作が簡単です。ロックする時は、扉を閉めて側面に付いているボタンを押すだけですし、取り出し時も鍵を差し込んで回すだけ。
このボックスも配達しやすさの観点では最高級です(もっと増えてほしいと切に願います)。
るすぽす 2段タイプ
このるすぽすもそこそこ見ます。何と言っても、ポストと宅配ボックスが一体型になっているのが特徴です。ただ、ポストは完全防水ではないので、屋根の下に置くことが想定されています。
2段タイプと3段タイプがラインナップされていますが、2段タイプの方がよく見ます。
2段タイプには120サイズの荷物が、3段タイプには80サイズと100サイズの荷物が入ります。
配達していて感じるのは、100サイズでは入りきらずに持ち帰ることが結構あるので、2段タイプが置いてあると助かります。ただ、1日で何社か宅配業社が来る場合のことを考えると、小さめの荷物をよく頼む方には3段タイプが合っているかもしれません。
操作も簡単で、側面のボタンを押すだけでロック、取り出しは鍵を差し込んで解錠です。僕は普段、ポスト投函できる荷物も配達しているので、1回で複数個のお届けがあっても、まとめて1個のボックスに入れられるのは便利です。
デザイン性にも優れていて本体色も豊富なので、自宅の外観にマッチしたタイプを選択できるのも嬉しいですね。
DORIS 宅配ボックス ギブニー 1段
たまーに見るのがこのタイプ。120サイズの荷物は入らないものの、扉を開けて側面のボタンを押すだけで配達できてしまうので、ドライバーからするとすごく使いやすくてありがたいです。
ただ、植物の多いお庭の中にこのボックスの緑があると、溶け込みすぎて存在に気がつかないかも…インターホンのところに『宅配ボックスあります』など記載があるお宅も多いですけどね。
据え置き型にしては価格もお手頃なので、せいぜい1日に1回程度の配達の方にはおすすめです。
✅宅配ボックス購入に補助金が利用できる場合も
この記事を書いている2024年時点ではかなり地域が限定されますが、個人が宅配ボックスを設置する場合に、補助金が受けられる自治体が存在します。
スマート補助金様(外部サイトへ飛びます)のページで、『宅配ボックス』でキーワード検索すると、20件くらいヒットしました。
僕の住んでいる千葉県で実施しているのは四街道市だけでしたが、今後こうした補助金を出す流れが、もっと広がってほしいと思います。
【番外編】ポストで荷物を受け取る方法
少し余談ぽくなりますが、大型のポストを設置していると、Amazonの荷物に限っては受け取りやすくなります。と言うのも、Amazonの配達だけはポスト投函OKという配達ルールがあるからです。
ポストなので鍵はかかりません。ただ配達員としては、地面が雨で濡れていたり、強風で荷物が飛ばされてしまうような日でも、安心してお届けができるのでかなり助かっています。
ヤマソロ スタンドポスト フォリア
宅配ボックス兼用で使われるポストとしては一番見かけるタイプです。
何と言っても、天井のふたがパカっと開くのが印象的。大容量なので、80サイズくらいの箱であれば入ってしまいます。
ちなみに荷物の大きさは限定されますが、ポストの下の網の部分に置き配お願いしますと指定されることもあります。たしかに、雨で地面が濡れている時でも接地しなければ濡れませんからね。悪天候での置き配も安心です。
ARCHITECTUAL MAILBOXES パトリオット
このタイプもたまに見ます。
ふたを開けて投函して閉めるだけという、至って普通のポストとしての機能のみ。ですが、とにかく大容量。僕は初めて見た時びっくりしました。。
80サイズまでの箱なら入るため、宅配ボックスとして利用されている方も少なくありません。
デザインもいいですよね、海外のポストっぽくて。
確実に荷物を受け取れるようにするための3つの手段
鍵がかかって安全性が高く、かつ大きめの宅配ボックスを用意しているのに、宅配業者が荷物を入れてくれない可能性もあるかもしれません(僕ならそこまでしてくれているなら入れてしまいますが)。
であるなら、その他に確実に荷物を受け取れるようにするための手段を検討しましょう。例を挙げると以下の3点です。
- 営業所で受け取る
- コンビニで受け取る
- 宅配ロッカーを利用する
それぞれ少し補足します。
営業所で受け取る
多くの宅配便は、宅配会社の各営業所で受け取れるようになっています。オンライン上からでも設定できますし、不在票に書かれている電話番号に電話して直接伝えても対応してくれます。
営業時間内に足を運ばないといけませんが、例えばヤマト運輸の窓口は毎日8時〜20時まで空いてますので、近所に住んでいる方は比較的利用しやすいはずです。配達員としては手間が全然ないので、実はこれが一番嬉しいです。
コンビニで受け取る
コンビニ受け取りも、各宅配会社が対応してくれます。都市部であれば24時間営業が多いでしょうから、営業所で受け取るよりも便利かもしれません。
ただ、時間帯指定をしていたとしても、配達側の何らかの理由で納品が遅れる場合があるので、そこだけ注意したほうがいいです。
宅配ロッカーを利用する
前述した場所以外にも、駅やスーパー、薬局などに宅配ロッカーが設置されていることがあり、そこでも荷物を受け取ることが可能です。
PUDOと書かれた写真のようなロッカー、一度は目にしたことあるんじゃないでしょうか。こちらも納品後であれば、24時間都合のいいタイミングで荷物を受け取れます。
上記、いずれも受取人自ら動く必要がありますが、現在は近所に受け取り場所がたくさんありますので、自宅に届けてもらうよりも確実です。
ということで今回は、配達員が荷物を入れてくれない問題について、現役配達員の視点から
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
コメント