【ディーラーの実態】自動車販売会社がブラック企業である5つの理由

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こんにちは、わたなべです。

自動車ディーラーの仕事と言うと、営業ノルマが大変そうとか、土日は必ず出勤しないといけない等、なんとなくキツそうなイメージがあるのではないでしょうか。

結論から言うと大変です。それゆえブラック企業と捉えられがちなのも事実です。ディーラーで働くことにチャレンジしてみたい方は少なくないものの、それが原因で尻込みしてしまっている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、新卒から地元ディーラーで9年間勤務した僕が、ブラックだと言えるポイントについて具体的に解説します。

※僕の経験から営業マンについて主に述べています。

特に以下のような方の役に立てるよう、記事を作成しています。

  • 自動車ディーラーはブラック企業なのか気になる方
  • ベテランの人はなぜ長く勤め続けられるのか知りたい方
  • ディーラーでの就業を検討しているが大丈夫か不安な方
  • 自動車販売会社がブラック企業である5つの理由
  • 自動車営業マンは大きく2つに分類できる
  • ブラックかどうか心配している時点でやめた方がいい
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自動車販売会社がブラック企業である5つの理由

会社の方針によって大きく違いがあるため、一概に自動車ディーラーすべてがブラック企業とは言えません。ただ、入社後にブラックだと感じる可能性は高いです。と言うのも僕自身、以下のような経験をしてきたからです。

  • ノルマ達成のプレッシャーから体を壊す人が多い
  • 売れてないと休日も心が休まらない
  • 車を売れと言われるものの具体的な指示がない
  • 経営陣は前年対比の数字しか見ていない
  • 新車を売ってもマージンがごくわずか

それぞれ詳しく解説します。

ノルマ達成のプレッシャーから体を壊す人が多い

僕が入社後に一番驚いたのはこれです。

一番見聞きしてきたのはうつ病の人たちですが、心筋梗塞とかの人もいました。ベテランでも若手でもあまり関係なく、全社で見ると誰かしら病気で休んでいるという状態でした。

やはり、売上に直接携わる営業マンとか、それを管理している拠点長クラスが特に病んでました。当然営業マンは売れなければ詰められますし、お店の成績が悪ければ拠点長のところに営業本部から電話がかかってきますからね。

心身の健康を犠牲にして働いていることは間違いなく、ストレス耐性の高い方であっても、長く勤めているとどこかしらに不調が出てきているようでした。

売れてないと休日も心が休まらない

売れない営業マンは言い方悪いですが虫ケラ扱いです。ですので、車の注文が上がらなければ、休暇中でも心が休まることはありません。

例えば、10月に2台、11月は0台、12月は1台、みたいな感じだと、とても成果を出しているとは見てもらえません。さらに1月の販売見込みも薄いとなると、年末年始は気が気ではなくなるわけです。休みに電話はかかってきてほしくないですが、こういう時だけは何か注文に繋がる電話がかかってきてくれないかなぁ、と思うものです。

一方で、売れていれば休暇を楽しむ余裕ができます。ただ、またいつ売れなくなるかわからないので気を抜いてはいけない、と意識のどこかでは必ず思っています。そうした意味では、本当に安らげる瞬間はないかもしれません。

休日は確保できる環境になってきている

少し補足です。これも会社によりますが、僕がやっていた頃と比べて、休日の確保は業界的にしやすくなってきています。

社会的にも働き方改革が叫ばれてきたこともありますが、労基に通報する従業員もちらほらいたりすることで、販売会社側が罰を受けてきているからですね。僕自身も、週1だった定休日が週2になった経験があります。

しかも、休みでも顧客からの電話は出ろと言われていましたが、途中から会社携帯が導入されたことで、休日は出なくてOKになりました。

そうしたことから、休みは大事にするような風土になってきていると感じます。まぁ、本当に心が休まるかは前述の通りですが…

車を売れと言われるものの具体的な指示がない

ディーラーの営業マンは、「新車の注文を取ってこい!」というのは何万回と言われるわけですが、どのようにしたらうまくいくみたいな、具体的な指示を受けることはほぼありません。基本的には自由に行動してOKですが、その代償として結果を求められるみたいな感じです。

これがどうしてブラックなのかと言うと、売れる人は売れるし売れない人はずっと売れない、という状態になるからです。売れない人は早めに帰りづらいので長時間労働になったり、拠点長から詰められる回数が増えたりするので、心身ともに疲弊します。そうするとメンタルをやられて、最終的には退職する形になります。

結局、顧客や知り合いとたくさん繋がっている、つまり集客さえできれば車の販売台数も伸びていきます。ですので、拠点長が営業マン一人一人のの話を聞きつつ、どのパターンで集客していくかを考えて、二人三脚で着実に成果を上げていく、みたいなのが理想的なのですが、そんな組織はディーラーにはほとんどないでしょう。

拠点長も元は売れてる営業マンだったわけですが、マネジメントがうまいかどうかは別問題ですからね。名選手が名監督にあらず。管理職なのに的確な指示ができないのかと本社に言われても酷ですが、人を育てられない人ばかりが拠点長になっている会社に入る新入社員も、それはそれで酷ですよね。

と言うことで基本的には、営業マンは個人の力で販売していかなくてはいけません。残念な現実ですが、そう思っていた方が気が楽です。

経営陣は前年対比の数字しか見ていない

販売会社の経営陣は、自社の業績を前年対比でしか見ていません。ちょっと言い過ぎ感はありますが、現場で働いているとそんな風にしか感じません。

例えば、2023年4月の1店舗の整備部門の売上が1000万円だったとすると、2024年4月の売上目標は1100万円になる、みたいな感じです。これは、顧客が減っていようが、スタッフが減っていようが、会社の定休日が増えようが関係ありません。売上目標は絶対です。

ですので、この目標を達成しようと従業員たちは無理をします。車をわざと傷つけて高額な保険金請求をしていたビッグモーターの事件が問題になりましたが、最たる例ですね。さすがに完全に違法なので、普通はここまでやりませんが。

また僕の体験で言うと、少し前に自爆営業の記事を書きましたがそれも一つです。

■関連記事>>自動車ディーラーで自爆営業なんて本当にあるのか?【結論:あります】

いずれにしても、無理めな目標を掲げられて、現場スタッフがキツい思いをするというのが基本構造です。

新車を売ってもマージンがごくわずか

ハイブリッドシステムやら自動ブレーキやらで、ここ最近かなり新車価格が上昇していますが、1台売っても営業マンに支払われるマージンは数千円です。会社にもよりますが、何なら軽自動車1台で1,000円とかです。

ただここにナビやドラレコ、ボディコーティングなどのオプションが付いたり、自動車保険に加入してもらった場合は、別途マージンが付与されます。つまり、車だけ販売していたのではお金になりませんが、付加価値を付けることができればまとまった報酬になります。

こうした報酬体系については、別記事で詳細にまとめています。

■関連記事>>【薄給】自動車ディーラー営業マンが新車1台売ると歩合は1000円

営業マンに新車を売って欲しいなら、車両販売のマージンを上げるのが一番だと思いますけどね。全然そうなってないのは謎です。

条件によって大きく稼ぐことは可能

ただ一応フォローしておくと、条件が揃えば大きく稼ぐことは可能です。例えば、新車の注文が重なった時や大口契約が取れた時などです。

実際に僕が20代半ばの頃、4年目くらいでしたが、単月で総支給80万超えを叩き出したことがあります。たまたま大口契約が取れたタイミングだったので、本当に最高瞬間風速的な結果なのですが、片田舎のディーラーでも一応稼ぐことは可能です。

自動車営業マンは大きく2つに分類できる

僕の経験上、決してホワイト企業とは言えない自動車販売会社ですが、働いている人は勤続年数が長い人が多いです。どうしてキツい環境でずっと働いているのか、と疑問な方もいるかもしれませんね。

実は、自動車営業マンは大きく2つに分類できます。

  • 逆境を乗り越えて結果を出そうとするチャレンジャータイプ
  • 居心地のいいポジションを見つけて現状維持に徹するタイプ

前者は基本的には、何かしら結果を出している営業マンなので、会社にとってプラスだと見られやすい層ですね。しかし数は少ないです。

一方で数が多いのは後者です。具体的に居心地のいいポジションとは何かというと、一例ですが、先輩営業が開拓した大口法人を引き継いだり、地方の◯◯自動車工業みたいなモータースの担当(業販と言います)になったりして、毎月数台は注文が入ってくる環境にいる人のことです。

■業販の仕組み

図の通り、業販の場合、車両の売買契約は地元の自動車屋と顧客との間で行われます。新車を販売できるのはメーカーの認定したディーラーに限られるため、自動車会社はディーラーから新車を仕入れるわけです。

このため、ディーラーの営業担当としては、地元のモータースが車を売ってくれさえすれば、納車するだけで1台販売したことになるため、自力で顧客を探す手間がない分楽に車が売れると言えます。

また、店舗の立地が良かったりして、車を見にくるフリー顧客をたくさん相手にできるので、注文が取りやすいみたいな人も該当します。

自分の努力なしでも売れるわけですから会社の評価は低いのですが、一応数字上ゼロではないので、会社側としても厳しく指導しづらいわけです。

ちなみに、売れている営業マンは大体決まっていて、全体の2〜3割程度です。少数精鋭部隊が会社の売上を作ってくれているので、自動車販売会社は存続し続けていられるのです。

ブラックかどうか心配している時点でやめた方がいい

自動車業界で働くことを検討している方にとって、自分が入社する会社がブラック企業だったら嫌だな、と思うことでしょう。まぁ冒頭で数々エピソードを挙げたので無理もないですが。

たしかに、その気持ちはわかります。しかし、ブラックかどうか本当に心配で、気になってしょうがないなら、その業界自体やめた方がいいと思っています。その理由としては一つで、覚悟がなければ続かないからです。

何人も辞める人を見てきましたし、僕自身も全然売れないので1年目で辞めようと心に誓っていました。

僕の場合は、自分から営業やりたいですと言って会社に入ったんだから、何が何でも会社に行き続けることだけを己に課してやっていました。このあたりの話も過去に書いているので、是非読んで欲しいなと思います。

■関連記事>>ダメ営業マンが全国表彰を受けるまでの軌跡【たった1つの武器でも戦える】

ただあくまで、この時は運良くメンタルをやられずに済んだので継続できたというだけの話で、僕も病んでしまう可能性は十分にありました。ですので、ブラック企業とか聞いてビビってんじゃねえよとかではなく、自分を守る意味で適職に就いて欲しいと切に思っています。

ディーラー営業は一度チャレンジして欲しい仕事

とは言え、ディーラーでの仕事に少しでも興味を持ったのであれば、一度はチャレンジして欲しい仕事です。その理由としては以下のとおり。

  • 厳しい環境に身を置くことで耐性ができる
  • お金を稼ぐ大変さが身を持って理解できる
  • 売れない時に試行錯誤した経験が後に生きる

売れなければ1年も続けられない仕事であることは間違いありませんが、3年くらい継続できたとしたら、その時点でかなり鍛えられています。

僕自身もこの時の経験が相当生きています。僕の勤務していた販売会社は、最低限の基本給は支給されていたものの、妻と2人の子どもを養っていくためには、とにかく商品を売ってマージンを稼ぐ必要がありました。

現在フリーランスなので仕事をしなければ1円も入ってこないので、金銭面だけ見れば今の方がキツいと言えるのですが、そうした経験が今に相当生きていますよね。

ですので、機会があれば一度はやってみてほしい仕事です。ただ、精神を病むと再起不能になるので、無理だと思ったらすぐに辞めて欲しいとも思います。矛盾しているようですが本音です。

ということで、今回はここまでです。この記事以外にも、自動車ディーラーについて情報提供していきますので、是非チェックしてください。最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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