こんにちは、わたなべです。
ディーラーに車を見に行くと営業マンが駆け寄ってきて、「ご用件をお伺いします」と言われますよね。「新車購入を検討しているので車を見にきました」なんて言うと、試乗の案内やカタログでの商品説明を丁寧にしてくれます。
しかし、いざ商談に入ると営業マンは平気で嘘をつきます。騙そうとしてくるわけではないのですが、お店にとって有利な契約になるように動いてくることは間違いありません。
実際には、こうしたこともわかりつつ、みなさん車の契約をしていると思うんです。ただ、その態度や言動に明らかに違和感を感じてしまうと、さすがに「この人から契約して本当に大丈夫だろうか…」と不安になりますよね。
そこで今回は、ディーラーに行く前に、予備知識を蓄えていただきたく、営業担当に違和感を感じた時の対応から、よくつく嘘について細かく解説していきます。
動画でも語っているので、合わせて是非どうぞ。
特に以下のような方の役に立てるよう、記事を作成しています。
- 新車のディーラー営業マンに騙されたんじゃないかと不安な方
- 営業マンが商談時につく嘘を知っておくことで理論武装したい方
- 信頼できる営業マンはどんな人なのか知りたい方
- 新車の商談・契約をキャンセルする方法
- 新車ディーラー営業マンが商談時につく5つの嘘
- 信頼できる営業マンの3つの特徴
新車の商談・契約をキャンセルする方法

まず、ディーラーの営業マンに違和感を持ってしまった場合、これはもう先々消えることはないことが大半です。もっと言うと、ユーザーが感じている「なんかスムーズに話が運ばないかも」という感覚は、営業マンも同様に感じています。
であるなら、その場で契約を結ばない方が、お互いにとって良いのではないかと思います。しかし、ディーラーに足を運んで、ある程度話が出来上がってしまったら断りにくいですよね。
そこでこの章では、段階別に営業マンとの話をキャンセルする方法について解説していきます。具体的なタイミングとしては、以下のように分類できます。
- 見積書をもらって帰った
- 最終見積額を提示されて持ち帰った
- 新車の注文書にサインをした
- 新車のナンバー登録をして納車を待っている
これらについて細かく解説していきます。
見積書をもらって帰った
初めてお店に行って、試乗したり見積もりを出してもらって、これから本格的に購入を検討しようかというタイミング。営業マンとしては、契約を本気で取りに行くべきか見計らっている状況です。
この段階であれば、断ってしまって全く問題ありません。まだ契約していない状態だからですね。
他で契約するとしても、何も連絡しなくてもいいかなとは思いますが、一応お店に「他で契約することになりました」と一報入れておくと丁寧です。何も連絡しないでいると、営業マンから「その後どうなりましたか」と電話がくる可能性がありますし。
最終見積額を提示されて持ち帰った
試乗や査定が終わり、最終見積額を提示され、営業マンから「今日決めてください」とか言われるタイミングです。営業マン視点だと、決断を先送りにされている状況ですので、何がネックなのかとか、もしかしたら競合があるのかもと思っています。
もちろんですが、この場合でも断ってしまって全く問題ありません。こちらもまだ契約していない状態だからです。断り文句としては、営業マンには悪いですが、ここもやはり「他社で契約することになりましたので」と言っておけばOKです。
受注見込み顧客に入れられてたと思うので、「もっと良い条件出せます」と食い下がってくるかもしれませんけどね。そこも普通に断れば、そこまで深追いしてこないはずです。
新車の注文書にサインをした
新車の注文書にサインをして印鑑まで押した後、キャンセルできるのかという話をします。この辺りから法的にどうなのかという内容が絡んできます。
さすがにサインしてしまっているので難しいかと思われがちなのですが、キャンセルできる場合があるというのが結論です。
契約が成立しているとキャンセルできないというのが基本的な考え方なのですが、この契約成立の日は以下のように定められています。
- ナンバー登録日
- 該当車両に改造・架装・修理を施した日
- 引き渡し日
上記のうちいずれか早い日が契約の成立した日となります。
つまり、注文書(契約書)にサインをしたものの、実は契約は完全には済んでいないということになり、キャンセルは可能ということになります。
ただ、新車は注文してから1ヶ月とか、長いと半年待ちになるようなケースがあり、すぐにナンバー登録できませんよね。だから、ディーラーはキャンセルを防ぐために、手付金を要求してくるのです。最低限、登録諸費用分(10万円程度)は先にくださいと言われるのが一般的です。
新車のナンバー登録をして納車を待っている
前述しましたが、ナンバー登録した段階で契約は成立しています。車検証上にもユーザーの名前が入ってしまっていて、車の所有はディーラーからユーザーへ移っていますので、こうなってしまうとキャンセルできません。ディーラーとしても、登録したらユーザーの所有だという頭でいます。
ただ、どうしてもキャンセルしなければならない理由があって申し出ている場合、全く取り合ってくれないということはありません。合意解除と言いますが、ディーラーが合意の上であれば、契約解除は可能です。
ただその場合、違約金を請求される可能性が高いです。この違約金額の設定には合理的な理由が求められるので、全額請求されないまでも、登録したことで価値が減じた差額分などは覚悟の必要があります。
営業マンやディーラー側の瑕疵があった場合はキャンセル可能
これまでの話は全て、お店側にミスがなかった場合の一般的な手続きのことだったのですが、営業マンやディーラーサイドに何かしらの落ち度があった場合はキャンセルが可能です。
例えば、注文したはずのオプションが付いていないとか、頼んだ車体色が違うとかですね。
ディーラーとしては、一部返金しますのでとか、追加でオプション付けますので、みたいなことを言ってくると思いますが、本当に嫌なら断って契約解除することが可能です。
新車ディーラー営業マンが商談時につく5つの嘘

さて、本題ですが、新車ディーラーの営業マンが商談時についてしまいがちな嘘について5つ紹介します。まとめると以下の通りです。
- これ以上値引きできません
- 上司に相談してきます
- 買取りでも同じくらいの金額です
- 展示車とは違う車です
- 値引きの代わりにボディコーティングを付けます
それぞれ細かく解説します。
これ以上値引きできません
ディーラーに行って、試乗や査定、カタログ説明が全て終わり、最終見積り金額を提示されて、いざ買うか買わないかというタイミングです。
営業マンもたしかに色々頑張って安くなるように動いてくれたかもしれませんが、まだ少し予算オーバーだったとしたら、「もうちょっと値引きできませんか?」って言いたくなりますよね。そんな時に返ってくるのが、苦しそうな顔と共に「いやー、、これ以上は引けませんねぇ。。。」という言葉。
これ、本当にそれ以上値引きできない時もありますが、粗利を多めに残したくて値引きできないと言っているだけみたいな時もあるので、真偽の程は半々です。
会社によりますが、営業マンの評価は販売台数の他に、獲得利益額という項目が設定されている場合があります。実際に僕が勤めていた会社は、粗利×◯%のマージンが基本給に乗っかるという給与形態でした。
ですので、利益を多めに残しても売れるのなら、できるだけ値引きしたくないというのが営業マンの本音です。
上司に相談してきます
この言葉、何度かディーラーでの商談を経験したことのある方なら、結構聞いたことがあるんじゃないでしょうか。値引き額や契約条件をユーザーから提示された営業マンが、自分では判断できないので上司に相談してきます、という状況で出てくる言葉です。
たしかに、新人時代はどれだけ値引きして良いのかわからないので、上司に相談することはあります。ただ、ある程度ベテランの営業マンは、この契約条件は会社が承認してくれそうかどうかってわかってます。自分で判断ができるんですよね。
そんな人が、わざわざ「上司に相談してきます!」って言うのは、単なるパフォーマンスに過ぎません。そのように言った方が、「真剣に考えてくれてるかもしれない」とユーザーに印象付けられると思って言っています。
一回営業マンは退席すると思うのですが、何ならコーヒー飲みに行ったり、タバコ吸いに行ってる可能性すらありますので、真に受けないようにした方が良いです。
買取りでも同じくらいの金額です
古い車からの乗り換えの場合、新車の商談時に大事な要素がいくつかありますが、その一つが下取りです。
例えば8年乗って75,000kmの軽ワゴンから、新型の軽トールワゴンに乗り換える際に、下取りで20万円と言われたとします。仮に、買取り業者で売却することも検討していて、それを営業マンに伝えたとしますよね。その際に返ってくる可能性のある言葉が、この「(他社に行って)買取りでも同じくらいの金額です」というもの。
結論から先に言いますが、金額だけで言えば買取り業者の方が高いでしょう。ですので、下取り金額=買取り金額というニュアンスで案内されたのであれば、それは営業マンの嘘ということになります。ちなみに、今まさに乗り換えを検討されていて、買取り相場を今すぐ知りたい方は以下からどうぞ。下取りよりも高いはずです。
✅下取りよりも買取りの方が査定額が高い理由
買取り金額が高いのは、買取り業者にとって、車がすぐに手に入るからです。この理由から、ユーザーは車の売却をすぐに求められます。つまり、高く売れる分、新車の納車までは待ってもらえないことが多いです。
車の価格は株式チャートのようなもので、今月は50万円くらいで売れたとしても、次月30万円になるかもしれません。納車まで待っていると、1〜2ヶ月くらいのタイムラグが生まれてしまうわけですが、この数ヶ月が買取り業者にとって致命的になる可能性があるのです。

ディーラーにとって、仮に値段がほぼ付かないような古い車であったとしても、下取り車は大事な収入源です。このため、営業マンも下取り入庫率という数値で管理されていることが多く、買取り業者に持っていかれるわけにはいかないというのが現状です。
少しの嘘をついてでも、下取り入庫させようとしてくるのは、上記の理由からです。ただ、ユーザーとしては少しでも安く乗り換えたい方が多いでしょうから、営業マンの言葉に振り回されず、ご自身で判断されるのをおすすめします。
展示車とは違う車です
ディーラーに行くと、ショールームに展示車が数台置かれていますよね。いざ商談になると、この展示車を使って商品説明することが結構あるんですが、ユーザーから「この展示車買うから安くしてくれない?」みたいなことをよく言われていました。
「いえ、別の車(展示車とは違う車)をご用意しますので」とその時は答えるものの、グレードや色、オプションなどが全て合致していた場合、高確率でこの展示車を納車していました。
また、ユーザーの方から、(展示車を指差して)「この車じゃないよね?」と聞かれることもありました。「もちろん、この車(=展示車)とは違う車ですよ」と答えるのですが、ここもやはり展示車が納車される可能性が高いです。
すぐにナンバー登録して納車ができるため、ディーラーにとってはもちろん、ユーザー側にも一応メリットはあります。ただ、展示車であることが発覚してしまうと大きな問題になるので、その事実はひた隠しにします。
誰が触ったかわからない車よりも、メーカーから運ばれてたてほやほやの車に誰もが乗りたいものです。ですが、ディーラーは当たり前のように嘘をつき、平然と納車しているのです。
ただこうしたことを防ぐ手はあって、それは展示車とは違うグレードや色を選択することです。営業マンから、展示車と同じ車に誘導してくる可能性がありますが、ピカピカの新車に乗りたければ断った方がいいです。
値引きの代わりにボディコーティングを付けます
商談の中で、車のグレードやオプションが決まり、総額220万の見積もりが203万円まで値引きすることができたとします。ユーザーとしては何とか200万以内になるまで値引きしてほしいところ。しかし、これ以上は値引きできないと言う営業マン。
こんな時に提案される可能性があるのが、「ボディコーティングをサービスします」というもの。
ボディコーティングって、安いものでも4〜5万くらいはしますし、高いものだと10万以上します。そんなものをサービスするってどういうことなの?って思う方も多いかもしれませんが、営業マンからすると割と可能なのです。
✅ボディコーティングの裏話
ディーラーで最低でも数万円の価格設定をされているボディコーティングですが、実は液剤はそれほど高いものではないため、ほぼ丸ごと整備士の工賃にお金を払っていることになります。
もっと言うと、1台の施工で液剤は使い切らないことが多く、他のユーザーが注文したコーティングの液剤は使い回せます。この残っている液剤で、営業マン自身が施工すれば、部品代もかからず工賃も発生しないというわけです。
この場合、正規品を注文しているわけではないので、メンテナンスキットや保証書は付いてきません。おそらくその点も説明されるはずです。
ただ、ちゃんと施工されているのであればまだ良いですが、ワックス洗車だけやって納車されるなんて危険性もなくはないです。たしかに、納車直後はツルツルですし見た感じわからないかもしれませんけど、それだけで済まされていたとしたら話が違いますよね。
ですので、このコーティングサービスは営業マンからすると、安く見せるために割と使い勝手のいい方法なのです。こうしたことを全て理解した上で提案を受け入れるなら良いと思いますが、騙されたくないと思う方は断った方がいいでしょう。
信頼できる営業マンの3つの特徴

では、こういう人から買うべきと言える、優秀かつ信頼できる営業マンはどういう特徴がある人物なのでしょうか。結論としては以下の通りです。
- 的確な提案をしてくれる人
- 「買ってください」と単刀直入に言ってくる人
- 時間を大切にしている人
それぞれ具体例を交えて述べます。
的確な提案をしてくれる人
かつての僕の同僚に、どの環境でも結果を出す営業マンがいました。
その人は、顧客の話を聞いて何を今求めているのかを察知する能力がずば抜けて高かったり、税務の知識にも造詣が深く提案の質が別格でした。例えばそこそこ大きい会社の社長相手にも物怖じせず、どのタイミングで買うのがいいのかとか、現金なのかローンなのかリースなのか、どれが一番節税になるのかをズバズバ言う、みたいな感じです。
優秀な人は、目の前のユーザーがより良くなるようにと考えてどんどん提案します。しかし、大半の普通の営業マンは、ユーザーの希望を聞いてその通りに見積り書を作ってきます。ここだけを比較しても、誰から買うべきかは明らかだと思うんです。
自分が意図しない方向性だったとしても、提案してくる営業マンの存在は貴重です。経験値の高い営業マンからのアドバイスは後々、「あの人の提案を聞いておいてよかった」となるはずなので。
「買ってください」と単刀直入に言ってくる人
これも僕の先輩営業の話で、しつこいわけではないものの、買ってくれとゴリゴリ営業する人がいました。その人の成績は、社内で毎年トップセールスでした。
新車の営業マンなので、買ってくださいというのは普通のことだと思いますよね。しかし、結構これ言えない人は多いです。理由としては、断られたくないから先延ばしにしたいというのがほとんどなのですが、顧客に決断を迫れないのは、言ってみれば営業としての仕事をしてないということになります。
そのトップセールスは、断りでも成約でもどっちでもいいから早く答えをくれ、みたいなせっかちな人でした。質というより数で勝負だと考えていて、断りも多いけど成約も多い、みたいな感じです。
ただ結局、こういう人が経験値の高い営業マンであり続けるわけで、納車からアフターフォローからトラブル処理まで経験していて、商品にも自信を持っています。こういう人から購入すべきです。
時間を大切にしている人
これは、僕が勤めていたディーラーを関係のあった生命保険会社の営業マンの話です。営業所の中でトップセールスで、とにかく時間を大切にする人でした。
営業マンにとって、と言うか社会人として時間を守るのは基本中の基本です。それだけでなく、その人は商談を1人2時間までと決めていました。それ以上になる場合は、仮に契約間近の局面であっても、「そろそろ時間なので」と言って、例外なく切り上げてしまっていたそうです。
顧客に見せるパフォーマンスではなく、本当に次の予定があったからやっていたそうです。僕の会社ではこんなことをしている人はいませんでしたが、ガチで売れている人は契約を取れそうな商談を切り上げる余裕があります。もちろん、こういう営業マンを頼るべきです。
今回挙げた3人のような営業マンが担当してくれた場合、おそらく違和感を持たないはずです。小手先で何とかしようとか、少しの嘘をついてごまかそうという雰囲気がないからですね。
もし、あなたが商談中に違和感を感じたとしたら、それは後々トラブルになってしまう可能性があります。車というのは大きな買い物ですので、良さそうな条件であっても、人を見ながら決断してもらいたいと思っています。
ということで今回は、元ディーラー勤務の立場から、営業マンが商談の時につく嘘について語りました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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