こんにちは、わたなべです。
軽貨物ドライバーにとって、自分で車を買って持ち込みで稼働するか、委託会社からリースするか、結構迷いどころですよね。
僕は約2年間リースしていましたが、少し前に中古で軽バンを買いました。もちろん配達用に自分の車を用意したのですが、車両購入に踏み切ったのは大きく2つの理由があります。
- 経費を抑えたかったから
- リース車のメンテナンスにかかる時間が膨大だったから
僕の場合、この2点の悩みは車両購入することで解決しましたが、人によってはリースの方がいい場合もあります。
そこで今回は、持ち込みとリースのメリットデメリットを指摘しつつ、車両購入の際の注意点について解説していきます。
特に以下のような方の役に立てるよう、記事を作成しています。
- 軽貨物ドライバー初心者、またはリースで稼働している方で、車両購入を検討している方
- 実際に車両購入した人の実体験が知りたい方
- 仮に車両購入した場合、絶対に失敗したくない方
✅この記事の内容
- 車両リースと持ち込みのメリット・デメリット
- 自分の車で稼働すると本当の意味で独立した気持ちになる
- 軽貨物ドライバーが気をつけるべき車両購入時の3つの注意点
車両リースと持ち込みのメリット・デメリット

車両リースのメリット・デメリット
- すぐに仕事が始められる
- 税金や車検の手続きを全部委託会社にお任せできる
- 事故時の自己負担額が限定的
- リース料が高い(ことが多い)
- 車種を自由に選べない
- 修理工場を指定されてしまうので遠方でも行く必要がある
リースのメリットは、何と言っても車を持ってなくてもすぐに仕事を始められることです。黒ナンバーの登録や保険の加入、車検の手続きなどは全部委託会社がやってくれるので、手間が省けるのは大きなメリットです。
また、事故時の自己負担額が限定的だと書きましたが、これは免責金額が付くためです。
■免責金額とは
自動車保険(厳密には車両保険)で、保険会社が負担しない金額のこと。例えば、事故によって50万円の修理額となった場合、免責金額が5万円付いていると、保険会社が支払う修理額は45万円となります。免責を付けることで保険料を下げることができる一方、事故時には自己負担が必ず発生してしまうことになります。
仮に、委託会社の加入している保険に、免責が10万円付いているとしたら、万が一事故を起こして車を修理するとなったとしても、ドライバーの負担は10万円で済みます。残りの金額は、委託会社が保険を使って支払うため、ある意味、高額支払いにはならないことが約束されているということです。
一方で、実はデメリットも大きく、とにかく費用が高くつきます。リース料相場は、どれだけ安くても3万円以上はしますし、僕は6万円近く払っていました。また、車種も選べないため、古い車でも燃費の悪い車でも、割り当てられてしまったら嫌とは言えません。
また、修理工場も委託会社の事務所の近くに指定されてしまいがちで、家から遠かった場合、休日を潰してメンテナンスに行かなくてはいけません。僕も遠方だったので、オイル交換してもらうだけのために往復3時間以上かけて行っていました…
車両持ち込みのメリット・デメリット
- 支払い金額を抑えられる
- 車種を自由に選べる
- 修理工場を自分で選べる
- 車両購入や黒ナンバー取得の手続きが面倒
- 修理代が全額自己負担
- 保険料が高い
持ち込みのメリットは、何と言っても安いことです。また、車種も自由に選べますし、メンテナンスも近所で済ませることができます。
一方で、手続きや支払いは全て自分で行う必要があります。リースと違い、事故による修理額が50万円だった場合、全額自己負担です。
また、そのために保険に入るのですが、個人の営業用車両の自動車保険料はかなり高いです。車両保険を付けてしまうと、1年目の保険料はおおよそ25,000円ほどかかります(2年目以降は大きく下がってくるんですが)。
ですので、僕は車両保険は付けず、月に1万円積立をしています。万が一の時に、実費修理できるように備えておくのです。ただ、補償を厚くしたければ保険料が高くても支払った方がいいですし、この辺りは人によって考え方が分かれるところです。
金額によってはリースが有利になる場合も
リース料と車両購入費の場合では、それぞれ確定申告の際の経費の処理の仕方が違います。具体的には以下です。
- リース料:賃借料として経費計上。車を借りている間はずっと経費で落とせる。
- 車両購入費:減価償却費として経費計上。耐用年数の範囲内で経費で落とせる。
例えば、80万円で5年落ちの車を買った場合、耐用年数は2年のため、1年目40万円、2年目40万円の経費計上をして終わりです。仮に4年ローンを組んでいると、月々支払いが発生していても、3年目〜4年目は経費計上できなくなります。
一方でリースの場合は、車を借りている限り経費計上できます。委託会社によっては、リース料を抑えてくれているところもありますので、例えば月々3万円台くらいであれば、リースしてしまった方がお得かもしれません。
結論:初心者はリースでスタートするのがおすすめ
いろいろ述べましたが、ドライバー業務に慣れていないうちは、リース車両で稼働することをおすすめします。理由としては1つで、辞めたくなったらすぐに辞められるからです。
宅配の場合、最初は間違いなく思ったよりも配れません。そうすると稼げませんよね。体力的にキツいコースを当てられてしまって、続けられなくなるかもしれませんし、他の仕事をしたくなるかもしれません。
車を購入してローンが残ってしまったりすると、続けるしかなくなってしまいます。本当にドライバー業を継続していこうと思い至るまでは、少し高かったとしてもリースが無難です。
自分の車で稼働すると本当の意味で独立した気持ちになる

僕が軽貨物ドライバーになった時、本当にお金がありませんでした。だから、初期費用がかからない・身一つでできる・単価が高いことを転職の条件にしていたのですが、軽バンがリースできるというのは、(ちょっと高かったけど)そんな僕には渡りに船のシステムでした。
働き始めてから1年半くらいはがむしゃらに配達しました。初日の配達できた数は70個くらいでしたが、寝る前に毎日地図を見て、道や建物を覚えた結果、10日目には190個まで配達することができました。必死でした。
少し慣れてきた頃には、当時担当していたのが個建て(1個配達したらいくらの報酬制度)だったので、1個でも多く荷物を持たせてもらえるように、SD(社員ドライバー)に社内営業もしました。初めて繁忙期を経験した時、絶望するほどの荷物の多さ&月27日勤務で倒れそうでしたが、なんとかやりきりました。
閑散期は、配達の合間にフードデリバリーを入れたり、メインの現場以外のスポット案件を休日に入れてもらったりして、売り上げを増やすことだけ考えていました。
節約もしました。外で出費する必要がないように、毎日おにぎりと水筒持参で行っていました(これは今もやってますね…)。本当は将来の投資のために、今書いているように、ブログ記事を大量生産したかったのですが、そんな時間もなかなか取れず。全て、今月の収支を黒字にすることだけを考えて行動していました。
今年に入って少し経った頃、現場が変わる時がやってきました。新しい現場は今までよりも規模が大きく、何倍ものドライバーが稼働している倉庫でした。僕同様リース車で稼働している方も多かったのですが、それ以上に持ち込みの方が多いことに気づきました。
「あれ、もしかして車買っちゃった方が良くない?」
早速、中古車の価格帯を調べ、保険料を古巣の自動車会社に計算してもらったところ、リース料の6割程度になることが判明。この瞬間、持ち込みに切り替えることを決意しました。
自分の車で稼働した結果、経費を抑えることができたり、遠かった修理工場に行かなくて済むというメリットを享受することができました。自分の車なら他の取引先の仕事も受けられる、というような自由も手に入れました。
それに加えて、あんなにお金に困っていた自分が、2年かけて自分で仕事の車を買うことができるまでになった、という感慨深さですね。これはちょっと僕特有のものかもしれませんが。ただ、軽貨物ドライバーになる人は、結構お金に困ってる人が多いので、これを読んでいる方の中にも理解してくれる方が少なくないかもしれませんね。
軽貨物ドライバーが気をつけるべき車両購入時の3つの注意点

いざ自分で車を買うとなったとしても、意外と正しい手順を踏めないもの。高い買い物であるからこそ、失敗したくないものですよね。
そこでこの章では、軽貨物ドライバーが車両購入する時の注意点についてまとめます。結論は以下の通り。
- 購入すべき車のスペック
- 万が一の際に代車を借りる先を確保する
- 加入すべき自動車保険の内容
それぞれ補足します。
購入すべき車のスペック
仕事で使う車を購入するということですので、運転しやすいことや多くの荷物を積み込みできること、燃費が良いことが求められますよね。そうした視点で見た時に、購入すべき車は以下のようなスペックです。
- ハイルーフ車:標準ルーフよりも荷室が広い
- 2WD:4WDだと燃費が悪い
- ノンターボ:ターボ車だと燃費が悪い
- ATまたはAGS:MT(マニュアル)車で配達はツラい…
これらの条件を満たしていれば、配送に適した車と言えます。ただ、中古車の検索サイトを見ると、結構4WDやターボ車などが出ているので注意が必要です。「買ったはいいけど4WDだった!」みたいなことが起こってしまうと取り返しがつきませんので。
AT車かAGS車か
スズキのエブリィを購入する場合、AT車とAGS車という設定があります。両者それぞれメリットがあるため、自身の感覚に合った方を選択してください。
⬛︎AGS(オートギヤシフト)車とは
AGSとは車の変速機の種類の一つ。操作はAT(オートマ)車と変わらないものの、MT車に構造が近い。AT車との違いは、変速時のショックが大きい代わりに燃費が良いことが挙げられる。

端的に言えば、乗り心地をが良いのがAT、燃費が良いのがAGSです。僕は両方乗ったことがありますが、AT車で13km/L、AGS車で16km/Lくらいの違いがありました。
僕は1日150kmとか走る現場で稼働しているためAGSを選択しましたが、走行距離数が少ない現場の方はAT車もありだと思います。
付いていると嬉しい装備品
必須ではないものの、付いていると便利な機能についても紹介します。
- オーバーヘッドシェルフ:運転席上のポケット。収納力が格段に上がるので便利。
- パワーウィンドウ:夏は窓を開けながら配達することが多く、咄嗟の砂埃などの際に、すぐに窓を閉められる。
- ドアバイザー:左右の窓ガラスの上に付ける樹脂製パーツ。雨でも窓を少し開けたい時、濡れなくて済む。

引用元:https://www.suzuki.co.jp/car/every/interior/
前述のスペックの他、これらが付いていると完璧です。ただ、中古車だと全てを装備している車は稀です。実際、僕はオーバーヘッドシェルフは諦めていますし…新車を買う余裕のある方は、是非フルオーダーしてください。
万が一の際に代車を借りる先を確保する
配達していると、(もちろん避けるべきですが)交通事故を起こしてしまったり、または車が故障してしまい、修理に出す必要に迫られる瞬間があります。
こうした際に、代車を借りられる先を確保しておかないと、長期間仕事ができないという状態に陥ってしまいます。
「レンタカー屋から借りればいいじゃん」と思う方もおられるでしょうけど、レンタカー屋は黒ナンバーの車を用意していません。黒ナンバーは配送事業者でない限り取らないからです。ですので、修理工場やディーラーでも、通常は代車を借りることはできません。
ではどこから借りるかというと、契約している委託会社から借りるのです。1社で100数十台とか稼働している配送会社であれば、トラブルの時のために、余剰の黒ナンバー社を用意しています。過去に大手の委託会社と契約すべきと書いたのですが、万が一の際代車を出してもらえればシフトに穴を開けなくて済む、というのが最大の理由です。
■参考記事>>僕が未経験からの軽貨物ドライバーで月の手取り30万円を稼いだ方法
ちなみに僕は、2年間で3回パンクしていますし、1回運転席ドアを破壊しています…車が壊れることは結構あるので、代車の出所は確保しておきましょう。
加入すべき自動車保険の内容
車を購入したら自動車保険(任意保険)に加入するのはもはや常識ですが、しっかりした内容になっているかは別の話です。結論、以下のようになっているのが望ましいです。
- 対人・対物:無制限
- 人身障害:3000万円以上(できれば無制限)、
- 特約:人身障害の車外事故特約、対物超過修理費用特約、他社運転補償特約、弁護士費用特約
対物超過、他社運転、弁護士費用あたりは、国内系の損保会社であれば、自動セットになっているところがほとんどです。ちなみに、保険証券に記載がないからといって、付保されてないわけではありませんので、加入先で確認した方がいいです。
加入しなくてもいい内容一覧
以下については、あえて加入すべき内容から除外しました。
- 車両保険
- レンタカー費用補償特約
それぞれ補足します。
車両保険
車両保険は、万が一の際、自分の車の修理代が出るようになる基本補償です。ただ、営業用ナンバーの保険料は高く、初年度が月13000円程度になります。さらに、車両保険をセットすると25000円/月程度になり、2倍近くに跳ね上がってしまいます。
運転に不安が残る方は、もちろん付けておくのがベストですが、そうでなければ、例えば月1万円程度積み立てておいて、万が一の際は中古パーツで修理する、といった方法もあります。仕事の車ですから、ある程度見た目に問題がなければOKな方が多いはずです。
自動車保険は掛け捨てですからね。工夫して出費を減らし、手元にお金を残しておくのが賢い選択と言えます。
レンタカー費用補償特約
事故や故障で、自分の車が乗れなくなってしまった場合に、レンタカー費用を補償してくれる特約です。この特約のメリットは、期間中(通常15日〜30日程度)無償で代車が借りられる点なのですが、前述の通り、黒ナンバー車を借りることはできません。
自家用車では必須レベルで付けておくべき特約ですが、業務使用の場合はあまりメリットがありません。レンタカーは是非、委託会社から借りられるようにしておいてください。
貨物保険にも忘れずに加入する
貨物保険は、事故の際、積荷が破損してしまった場合に補償するためのものですので、軽貨物ドライバーが加入しておくべき保険です。損保代理店であれば取り扱いがあるため、自動車保険と一緒に入っておきましょう。
保険料は安いです。売上高に応じて保険料も変わってくるのが一般的ですが、仮に年間売上が500万円だったとしたら、月1000円ちょっとの賭け金で済みます。
自動車保険+貨物保険のセットで加入しているかどうか、委託会社にチェックされるはずです。入ってないと仕事ができないので、加入はお早めに。
今回は以上です。このサイトでは脱サラ後、未経験でも軽貨物ドライバーとして活躍していけるよう、情報発信しています。こちらの記事も合わせてお読みください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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