こんにちは、わたなべです。
僕は新卒から9年間、自動車ディーラーの営業マンとして会社勤めをしてきました。そのため車には毎日乗っていましたが、自分の車は仕事用とプライベート用を兼ねていて、ローンも普通に払っていました。
当時年収が400〜450万円の間くらいだったのですが、わずかに手が届かなかったのが200万円台の新車でした。20代で結婚&2人の子持ちということで、かなり余裕のない生活をしていたこともありますが。
■参考記事>>【給与明細公開】自動車ディーラー営業マンの手取り額は20万円程度
ただ令和になり車の値段もどんどん上がっていっていまして、見積りを取ると新車で総額200万円なんてすぐにいってしまうようになりました。
車を所有するのは便利ですし、生活スタイルが変わったことで運転する必要に迫られている方も少なくないでしょう。ただ、維持費のことを考えると、そこまでの金額を出して買ってしまっていいのかって尻込みしてしまいますよね。
そこで今回は、ディーラー営業マンとして新車を販売していた立場から、200万円の車を買うと維持費はどうなるのかについて、またどの程度までなら月々車に使えるのかなどについて、細かく解説していきます。
特に以下のような方の役に立てるよう、記事を作成しています。
- 200万円の車を買った時の維持費はいくらくらいになるのか目安を知りたい方
- ローンはどれくらいまで組んで大丈夫なのか気になる方
- 車にお金がかかるのは理解できるが余計な予算はカットしたい方
- 200万円の車の維持費は月7.4万円
- ローンは収入の3割を超えると払えなくなる
- 余分な車購入費用をカットする5つのコツ
200万円の車の維持費は月7.4万円
まず、維持費の計算をするにあたって、以下のような条件を設定しました。
- 車種は軽自動車
- 購入者は20代で初めて自分の車を買う
- 車両代は年利4%で5年間のフルローン
- 月極駐車場を契約
- 2回目車検までのメンテナンスパックに加入
- 平均燃費15km/Lで、月1000km走行(1Lあたり160円)
- 6等級スタート、車両保険付帯
次に、以下で月々の維持費の内訳を計算してみます。
内訳 | 月額 | 5年間合計 |
---|---|---|
車両代+ローン金利 | 36,700円 | 2,200,000円 |
駐車場代 | 6,000円 | 360,000円 |
ガソリン代 | 10,700円 | 642,000円 |
自動車保険料 | 16,800円 | 1,013,000円 |
自動車税 | 10,800円(年額) | 54,000円 |
車検代(諸費用のみ) | 43,100円(5年間で2回) | 86,200円 |
その他点検料 | ー | 90,000円 |
5年間合計 | ー | 4,445,200円 |
5年間で1台の新車にかかる総額は4,445,200円となりました。
これを60ヶ月で割ると以下の通り。
- 4,445,200円÷60ヶ月≒74,000円
このため、総額200万円の新車の維持費は、月々74,000円となります。
駐車場台がかからなかったり、自動車保険で車両保険に入らなかったりで条件が少し変わってきますが、目安になるはずです。
この内訳の数字について、以下で少しずつ補足をしていきます。結論だけ知りたかった方は、次の章まで読み飛ばしてください。
ローン金利の計算方法
おおよその金額、かつ均等払いであれば、自動車ローン月額は以下の式で計算できます。
- 月額ローン代={車両代総額+(車両代総額×年利×0.01×支払い年数)÷2}÷支払い月数
式で書くとややこしいですが、車両代と金利部分の総額を月数で割るという計算をしています。
例えば前述した、200万円の車両代を金利4%、5年均等払いするケースは以下のような計算になります。
- {2,000,000+(2,000,000×4×0.01×5)÷2}÷60≒36,700円/月
カタログは自動車メーカーのホームページからダウンロードできるので、金利さえわかれば、見積りを取らなくてもある程度は自分で計算できてしまいます。是非やってみてください。
自動車保険料は年数が経てば大きく下がる
表の中では自動車保険料を16,800円と設定しています。ただ、車両保険(=自分の車の修理代を出すための保険)を付帯してしまうと、初年度は月に25,000円程度はします。
5年間の等級と保険料については以下の図をご覧ください。
事故等がない、保険を使わない前提で計算しています。上図の数値から、平均を取って月16,800円と記載しました。
9等級くらいまで行くと、初年度の半分くらいまで落ちますね。それにしても、自動車保険料って高くないですか?(特に初年度)
2回目車検までのメンテナンスパックとは
多くのディーラーでは、将来の整備代を先払いするメンテナンスパックといった商品を用意しています。イメージとしては以下の図の通りです。ダイハツさんから引用させていただきました。
最大で2回目の車検まで先払いができ、内容も『整備代のみ』や『整備代+消耗部品(エンジンオイル・エレメント・ワイパーゴム交換など)』のように複数から選択できるようになっています。
今回の試算は、総額200万円の中に、2回目車検までの整備代と消耗部品が含まれているという前提で出しています。
その場合の、最低限の車検にかかる金額の内訳は以下の通り。
内訳 | 金額 |
---|---|
車検代行料 | 15,000円 |
自賠責保険(24ヶ月) | 19,730円 |
重量税 | 6,600円 |
印紙代 | 1,800円 |
合計額 | 43,130円 |
1回の車検で43,130円、これを2回のため、およそ86,200円としています。
ちなみに車検代行料はディーラーによって金額が違いますが、大体15,000円程度が相場かと思います。
その他点検料の内訳
金額の根拠にしたのは以下の通りです。
内訳 | 金額(5年間の回数) |
---|---|
タイヤ交換 | 40,000円・1回 |
バッテリー交換 | 10,000円・2回 |
その他消耗部品 | 点検毎に3,000円・10回 |
新車ということで、最初の5年間はそこまで大きな出費にならないでしょう。タイヤやバッテリーは1回交換するはずなので、おおよその金額で計上。その他消耗部品も、最低限で考えると点検毎に平均3,000円くらい見ておけばOKかなという感じです
ローンは収入の1/3を超えると払えなくなる
維持費についての概算額は理解いただけたかと思うのですが、実際に車を買うとなると、払っていけるのか?と不安に思う方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、年収対比で見るローン返済額についての目安についても解説していきます。
結論から言うと、ローンは収入の1/3までに抑えておくのが無難です。ここで言う収入とは、額面ではなく手取り額のことです。
一例として、以下のような状況を考えます。
- 車の購入者は35歳既婚男性、会社員、子供は一人、共働き
- 額面月収40万円(手取り月収33万円)、妻のパート収入で月7万円
- 総額200万円の新車を年利4%の5年均等払いを予定(前述の例の通り)
- すでに住宅ローン契約済みで月10万円の出費がある
こういう世帯、結構あると思うので挙げさせていただきました。
この例の場合、世帯の手取り収入は、夫の33万円と妻の7万円を合わせて40万円ですね。1/3が借入額のギリギリの数字だとすると、月に133,000円までとなります。
前述の通り、200万円の新車のローンは月額36,700円。ただこの方の場合、すでに住宅ローンが月10万円ありますので、合計すると136,700円。この時点でちょっと超えてますね。
ただこの方は会社員なので、保険料とか税金が既に引かれています。何かちょっと我慢したり、贅沢しなければ大丈夫かもしれません。
返済負担率の計算方法
このように、収入から見たローン金額の割合を返済負担率と言います。
例えば、月収40万円のうち136,700円がローン支払いに回るとすると、返済負担率は約34%です。計算方法は以下の通り。
- 136,700÷400,000×100≒34%
前述の通り、この返済負担率は1/3、つまり33%までに抑えたいところです。多くの場合、これを超えると支払いが一気にキツくなりますからね。
ただ、その他の支払いが少ない方や、個人事業主で事業にも使用するため経費計上できる方など、状況は様々だと思うので、あくまで目安だと考えてください。
余分な車購入費用をカットする5つのコツ
車は誰もが乗るもので生活必需品である一方、車両価格は高騰しています。支払いに余裕がある方であっても、できるだけ余分な出費は抑えたいというのが本音ではないでしょうか。
そこでこの章では、車購入費用を抑えるためのコツについて言及します。まず結論としては以下の5点です。
- ディーラーオプションはECサイトで代替する
- 諸費用をできるだけカットしてもらう
- ローンはディーラー以外で組む
- 自動車保険はインターネットで加入する
- 車体色は白か黒を選ぶ(拘りがある場合は別)
少しずつ補足します。
ディーラーオプションはECサイトで代替する
ディーラーで頼むオプションの中には、ECサイトなどで自分で注文すれば事足りるものが結構あります。代表的なものを挙げると以下の通り。
- フロアマット
- シートカバー
- ドライブレコーダー
- ナビ など
ディーラーオプションよりもECの方が安いですし種類も豊富です。特にフロアマットやシートカバーは自分で敷けます。
ドラレコやナビなどは自分で取り付けるのは少しハードルが高いですが、ディーラーにお願いすれば取付けてくれます。少し工賃は上がると思いますが、それでも部品代でかなり得をしているはずなので、トータルでは出費を抑えらることが多いです。
この辺りについては、別記事で詳細にまとめているので、以下の記事もご参照ください。
■参考記事>>【知らないと損する】新車購入時に不要なディーラーオプション5選
諸費用をできるだけカットしてもらう
見積書の中の諸費用欄、何となく見過ごしてしまっているかもしれませんが、実はカットできる項目がいくつかあります。代表的なものは以下の2点です。
- 納車費用
- 車庫証明代行費用
まず納車費用についてですが、しれっと計上しているディーラーが結構あると思うんですね。ただ僕が営業マン時代から、納車するのが仕事なんじゃないの?と思っていました。
つまりこれ、ディーラーの儲けのためにあるような項目なんです。ですので、諸費用の中からもうちょっと値引きできないですか?と営業マンに聞けば、この納車費用から真っ先にカットしてくれる可能性があります。
もう一つ、車庫証明費用に関してです。僕が勤務していた会社では、行政書士に依頼をしていました。おそらく多くの販売会社がそうしているのだと思いますが、この委託費用が代行費用として見積書に載ってきているのです。
車庫証明の取得は、管轄の警察署に数回行くだけの時間が取れれば、手続き自体は正直そんなに大変ではありません。書式は警察署の窓口でもらえますし、書き方の案内もくれたりします。ですので、こちらも自分で行くことを申し出ればカットしてくれます。
これで、普通車の場合15,000円とか、軽でもその半額くらいは浮かすことができます。
ローンはディーラー以外で組む
ローンを組む場合、ディーラーかその他の金融機関を利用するので大きく違うのが金利です。
新車の場合、ディーラーだと4〜5%が一般的ですが、仮に銀行のオートローンを利用すると2%程度で借入することができます。個々人によって信用力がまちまちですが、両方利用できる前提でお話ししています。
一例ですが、250万円の車を5年フルローンで契約する場合、ディーラーで5%で借りると金利合計は約310,000円。しかし、2%なら125,000円程度で済みます。5年間ではありますが、その差は何と20万円弱です。結構違いますよね。
ディーラーなら商談中に、いっぺんにローン審査までやってもらえますし、面倒だからディーラーで組んじゃってもいいんじゃない?と思う方も少なくないと思うのですが、これははっきり言って損しています。
銀行の場合、ハンコとか押しに行ったり書類たくさんあったりするんじゃない?と思ってる方もいるかもしれませんが、今やオンライン入力と少しの電話だけで完結します。審査の回答が出るのも数日です。
思ったよりも簡単に大きな金額を節約できるので、是非やった方がいい手法の一つです。
自動車保険はインターネットで加入する
自動車保険をかける時に、ディーラーで加入するのかネットで自分で契約するのか選択すると思うのですが、保険料を節約したいならインターネット保険一択です。
他にも、会社の団体割引とかJA共済など、普通に国内系の大手損保で契約するよりも安くする方法を持っている方は別ですが。
ただ正直、ネット保険を推すのはちょっと悩みました。と言うのも、保険の中身をまったく知らない方が自分で契約すると、必要な特約を付帯していない可能性があり、いざ事故や故障が発生した時に保険料が下りないことがあるからです。
ですので、内容に不安がある方は、ディーラーや保険代理店の方に頼んだ方が無難ではあります。
一応、保険料の違いについて触れますが、ネット保険で年間100,000円の補償が、ディーラー経由だと130,000円くらいという感じです。数万円変わってくるのは間違いないのですが、契約内容をミスると万が一の際、数十万、数百万の自腹になりかねないので、繰り返しますがわからない方は誰かに頼んでください。
万が一の時に“使える”保険内容はこちら
とは言っても、年間数万円を絶対に節約したいという方もいるかと思うので、おすすめの補償の組み方について以下で記載します。
- 対人・対物:無制限
- 人身傷害:無制限(車外事故補償有り)
- 車両保険:年式により必要度合いが異なる(付帯の場合、免責3−10万推奨)
- 特約:レンタカー費用補償特約、対物超過修理費用特約、弁護士特約、他社運転危険補償特約
- 走行距離:年間何km走るのか確認し、その距離数は絶対に越えないように設定
最低限度ですが、僕が現在営業マンだったとしたら上記のように提案します。
内容の詳細については今後別記事で解説したいと思いますが、保険の内容に迷ったら、ひとまず参考にしてください。
一番やってほしくないのは、ネット保険の加入画面に出てくるおすすめプランを適当に選ぶことです。結構やってるしまっている人多いかと思いますが、補償は個別に設定すべきです。
車体色は白か黒を選ぶ
車体の色について拘りがないのであれば、白か黒がおすすめです。特に黒ですね。その理由としては、多くの場合、追加料金が発生しない上に査定では加点になりやすいからです。
新車を買おうとしているタイミングで売る時のことを考えている方は少数派でしょうけど、査定額が10万円以上変わるケースは珍しくありません。
一方で、白黒以外の有料色を選択するのはおすすめしません。赤とか青とか緑とかですね。というのも、安くても3〜5万、高ければ8〜10万円くらいするにも関わらず、査定にはほぼ影響しない場合が多いからです。
悲しい現実なのですが、注文時に高い色を選択したからといって、得することはあまりないのです。
ただ、ボディカラーはかなり好みが分かれるところだと思うので、なかなか強くは言えません。好きな色の車を乗った方が満足感が高まるならそうした方がいいですから。あくまで値段だけで言えば、という話でした。
ということで、車のローンや維持費について解説してきました。是非あなたの充実したカーライフに繋がれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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